英検準一級の一次試験のすべてを解説!合格ライン、難易度、大問ごとの出題傾向や勉強法など、この記事を読めば準一級の概要がすべて見えるはず!
英検準一級を受ける人は要チェック!
英検準一級は何が出る?配点は?
英検準一級の一次試験は、大きく分けると「筆記試験」「リスニング試験」の2部構成になっています。それぞれの内訳を見てみましょう。
筆記試験の出題内容
大問 | 内容 | 問題数 |
1 | 語句補充(単熟語) | 25 |
2 | 長文の穴埋め問題 | 6 |
3 | 長文読解 | 10 |
4 | 自由英作文 | 1 |
筆記試験はリーディング41問と総字数120~150字程度のライティングとなっています。難易度は「大学中級程度」となっています。目安としては、早稲田慶応など最難関の私立大学入試と同じくらいの難しさです。
試験時間は90分です。大問1~3のリーディング問題をスピーディに終わらせ、どこまで大問4のライティングに時間をかけられるかが鍵となります。過去問演習でしっかりと時間配分の練習をしておきましょう。
ライティングが最重要です!
リスニングの出題内容
大問 | 内容 | 問題数 |
1 | Dialogues(対話の聞き取り) | 12 |
2 | Passages(文章の聞き取り) | 12 |
3 | Life -Time(日常生活) | 5 |
リスニング試験は大問3つで構成されており、計29問となります。
試験時間は30分。英文は一度しか流れないのはもちろん、大問によって出題の仕方が大きく異なるので、大問ごとの対策が必須になってきます。
英検準一級の合格ライン
英検公式サイトによると、英検準一級一次試験の合格基準ラインはCSEスコア換算で1792/2250となります。(※出典)
CSEスコアの計算方法は公開されていませんが、過去の傾向では、ReadingとListeningは素点で7割、Writingは9割が合格者平均点の目安となっています。
どの技能でも高い完成度が求められますが、特にWritingは合格者の平均点が非常に高いので、より高度な対策が必要になります。
一度過去問を解いて、自分の現状を知ることからはじめましょう。
どんな問題が出題されるのか、大問ごとにどんな対策をすればよいのかをこれから詳しく紹介していきます。
大問1対策(単語・文法)
大問1は、短い文章の間に( )が埋まっており、適切な語句を選ぶ問題。単語の知識が問われます。
単語の勉強法
所説ありますが、英検準一級で出題される単語の数は7,500語~9,000語と言われており、2級の5,000語~6,000語をはるかに上回る語数になっています。
そのため、参考書や過去問だけでは対策しきれないので、でる順パス単など英検準一級に特化した単語帳を購入し、頻出度の高い単語のみならず単語帳1冊丸々覚える必要があります。
また、毎回4問程度熟語(イディオム)も出題されます。単語帳に掲載されている場合がほとんどですので、あわせて覚える必要があります。
大問2対策(長文穴埋め)
長文の一部が( )になっており、適切な一文を4択の中から選ぶ問題です。
この問題は2級とそこまで変わりません。長文全てを読む必要はなく( )の前後をしっかり理解できていれば解ける問題になっています。
慣れていれば、比較的時間をかけずに高得点が取れる大問なので、この大問を得点源にできるようしっかり対策していきましょう。
まずは時間を気にしなくていいので、英文の意味を正しく理解できているか、論理の流れを理解できているかを意識して学習してみましょう。
大問3対策(長文読解)
大問3はオーソドックスな長文読解です。「内容合致問題」と呼ばれ、長文の内容にあうものを選択肢から選ぶ問題です。
上でも述べましたが、筆記試験はいかにライティングの時間を残せるかが鍵になってきます。この長文パートを高速で解けるよう、しっかり対策していきましょう。
①ほぼ順番通りに出題される
例えば、1問目は1段落目、2問目は2段落目のように、本文と設問が段落ごとに分かれている場合が多いです。
つまり、1問目が解けたらその段落は読む必要はなく、次の段落から読み始めればよいということです。
すべて読む必要がなくなるので、これだけでも時短になります。
②まずは「問い」だけ確認
大問3は、①問いだけを読む(選択肢を見ない)→②長文から探す→③選択肢を見るの順番で解くことを強くオススメします。
理由は2つあり、1つ目は時短です。このやり方では、まずは「問い」だけを読み、先に「何を問われているのか」だけ確認し、その箇所を長文の中から探すことになります。
これをすると、問われている内容と関係ないところは読み飛ばしができるので、大幅な時短になります。
2つ目の理由がひっかけです。準1級の長文問題は、どの選択肢にも長文で使われている表現と似たような言葉が含まれており、パッと見、どれも正解に見えてきます。
つまり、先に選択肢を見てしまうと、似たような言い換え表現にひっかかりやすいのです。
先に長文で答えを見つけて、そこで初めて選択肢をみるようにすれば、紛らわしい表現に引っかかる可能性が大幅に下げられます。
2択まで絞れたけど間違えちゃうという人は、だいたいこの引っ掛けにかかっています。
大問4対策(自由英作文)
上でも述べた通り、ここで高得点を取れるかが準1級合格のカギになります。
120~150字程度の自由英作文で、自分の立場とその理由を2つ述べる必要があります。理由を述べる際、4つのPOINTS(観点)から2つを選ぶ必要があります。
評価基準は「内容」「構成」「語彙」「文法」の4つの評価基準があります。
それでは、それぞれの項目を細かく見ていきましょう。
①内容
TOPICに対して理由が直接的になっているか、POINTSをしっかり使えているかが評価されます。
出題テーマが社会・環境・国際など幅広いので、ある程度の教養も必要になってきます。理由が全然浮かばない人は、幅広いテーマの長文を読んだり、ニュースに目を向けて最低限の教養をつけることも必要になります。
小中学生には大変…
また、行き当たりばったりで作文を書かず、書く前に内容を整理することも重要です。
Topic Sentence:主張(理由をひとことで)
Support Sentence:主張の根拠(具体例や理由など)
Concluding Sentence:結論
理由1、理由2それぞれでTS、SS、CSを整理すると、内容が整理されて高得点が狙いやすくなります。
②構成
問題文で指定されている “introduction” “main body” “conclusion”
の通りに書けば、大きく減点されることはありません。「①立場、②理由1、③理由2、④結論」の4段落構成で書きましょう。
高得点を狙うなら、ディスコースマーカーを活用しましょう。長文読解で教わることが多いですが、英作文においても超重要です。
全て覚えるのは現実的ではないですが、具体例・原因結果・まとめなど、自分がよく使うディスコースマーカーを覚えておくと、非常に便利です。
③語彙
スペルミス・不自然な表現がないかを見られるのはもちろん、準1級では「重複表現」も見られます。
同じような単語を使いすぎると減点されるので、高得点を狙うなら、類義語を使ったり、文章自体を言い換えて見たりと、工夫が必要になります。
④文法
基本的には文法ミスがあるかどうかが見られます。変に複雑で長い文章を使った結果、減点される人が多いので、なるべくシンプルな文章を作るようにしましょう。
また、③語彙と同じく「重複表現」も減点されます。全く同じような構文を繰り返し使うと減点されるので、ワンパターンにならないよう色んな構文を用意しておくと便利です。
ライティングを得点源にできると、合格にグッと近づくことができるぞ!
リスニング対策
2級との違いは?
2級と比べると問題数が減りますが、レベルは大幅に上がっています。リエゾン(前後の単語が繋がる)やリダクション(発音しない)が増え、音声のスピードも上がります。
大問によって出題形式も異なっているので、ここからは大問ごとに細かく見ていきましょう。
大問1対策(対話の聞き取り)
大問1は英検2級でも出題される対話の聞き取り問題です。オーソドックスな対話が流れるので特段難しい問題はなく、準1級のなかでは得点が稼ぎやすいパートになります。
会話の流れをしっかりつかみ、なるべく高得点をとれるよう練習しましょう。
大問2対策(文章の聞き取り)
大問2はパッセージ問題です。1つの文章に設問が2つあり、それぞれ4つの選択肢から選ぶという問題です。長文問題がそのままリスニングになったような形式のため、特に難易度が高く平均点も低い印象です。
過去問演習だけでは太刀打ちできないので、長文問題の音源を使って音読練習をしましょう。最初は大変ですが、繰り返し音読することで少しずつ聞き取れるようになっていくはずです。
地道な音読学習が有効です!
大問3対策(Life-Time)
この大問は10秒で30字程度の文章を読み、そのあとに音声が流されます。そして、その状況に当てはまる選択肢を4つの中から選ぶといった問題です。内容はオーソドックスで、インタビュー・買い物・お店での会話など日常生活に根差した内容になっています。
難易度はそこまで高くないですが、他の試験ではまず見かけない独特な問題形式なので、慣れていない人は得点を落としやすい問題です。
大問3は独特なので後回しで大丈夫です。まずは大問1,2でリスニング力をつけるのが最重要。
大問3は過去問や予想問題を使ってとにかく慣れよう!
オススメのリスニングの勉強法
特に有効なのは「音読」学習です。ただ聞くだけでなく、ちゃんと自分の口でしゃべることで、より英文が聞き取りやすくなります。
リスニングの問題を聞いた後は、スクリプト(放送文)を必ず見返して何度も音読練習をしましょう。
CD音源をマネできるくらい音読しよう!
リスニングの勉強だけでなく、単語を覚えるときも音読する癖をつけておきましょう。これだけで相当差がでます。
まずは英検準一級の過去問を解こう
受ける級を決めたら、まずは過去問を解いて自分のレベルを知ることから始めましょう。過去問は書店で購入するか、英検の公式サイト※出典にアップされている過去問を活用するのが良いでしょう。
自分のレベルや弱点を知ることができれば、おのずと対策法が見えてくるはず。しっかりと分析をしてみてください。自力で分析をしたり勉強法を考えるのが難しいという方は、さむらい英語塾のワンコインコーチングをぜひお試しください。